金曜の夜、高円寺でという絶妙なセッティングで久々に見るTHE FOOLS。
このライヴの後は伊藤耕の復帰まで潜行するとのことで貴重な機会だ。
ステージはサポートの石井啓介(key)、高橋保行(tb)を加えた6人編成。
福島誠二がセンターを務める形で、1曲目はファースト『WEED WAR』から「GIVE ME 'CHANCE'」。
シンプルな言葉とシンプルな曲調なのに、得体の知れない深みを感じさせる彼らのマジックは健在だ。特に今日のアレンジは石井啓介のエレピが加わって深みに彩が加わり、僕はドアーズの「ライダーズ・オン・ザ・ストーム」を連想した。彼は80年代末期から90年代初頭にかけてTHE FOOLSのステージで演奏していたこともある人物だ。
「欲しいなら何度でもころがり続けろ」というフレーズに、つい不在中の伊藤耕を思い浮かべてしまう。
とはいえ2曲目最新アルバムからの「ピンときたらGO!!」などゴージャスでリッチなサウンドは、これまでのTHE FOOLSになかった味わいで、3曲目の「REBEL MUSIC」にいたっては、ジャズ・ファンクの如し。
サックスの若林零烏がリード・ヴォーカルを担当した「WASTIN' TIME」では、今度はオルガンの音色が……またまたドアーズを想起させる。
ちなみに終演後、ピンと来たらGO!ということで、ずうずうしく初対面の石井啓介氏にお話をうかがったところ、彼にとってドアーズは伊藤耕、川田良との共通項だったとのことだった。
もちろん福島誠二の力作「BABYLON BREAKER」も絶品だったが、ラストの「Come On Boogie」はいにしえのジャングル・ビート風のアレンジがなされていてビックリ!
THE FOOLSの看板を守るだけではなく、しっかり斬新な境地をこれからも切り開いていこうという決意の現れと受け取った。
たまたまヴェルヴェット・アンダーグラウンドのムックの仕事に取り組んでいることもあって、ふと気がついたのは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドからルー・リードが脱退した後、バンドの看板を背負ったのはベースのダグ・ユールだったこと。彼が当時味わった苦労は、THE FOOLSの看板を背負った福島誠二と共通するものがあるような気がする。改めてこの間の福島誠二の健闘を讃えると共に、伊藤耕復帰後のTHE FOOLSの活躍に期待したい。
ステージの締めに「We are THE FOOLS!」と雄叫びをあげる福島誠二
photo by 荻原和彦
以下は僕のライヴ情報。
昨年末に始動した新プロジェクト、31世紀ファクトリー。
弾き語りとスポークンワードによるセッションで、僕のオリジナルを解体/再構築していきますので、こちらもよろしくお願いします。
・31世紀ファクトリー
支配人:三輪一呂未 word
工場長:志田歩 vo,ag
2月25日(土)新宿
SoulKitchen
開場:19:00 開演:19:45 (31世紀ファクトリーは20:25から出演の予定)
CHARGE:2000円(+2DRINK1000円)
C/W 中川謙太郎、ライジングマツ、蓮沼ラビィ