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10月24日 志田歩 with kubotti@新宿SoulKitchenご報告2014.10.25 Saturday
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曲のモデルにさせていただいた伊藤耕さんが最前列にいる客席の前で「陽気なプリズナー」を歌う。
ついに、ついに、そんな願いをかなえることができた!
この曲についてのいきさつは、7月18日にこのブログの記事「伊藤耕さんの無罪判決について(その3)」で書いたとおりだが、この曲をここまで“陽気なモード”で演奏できたのは初めて。
以下、この日のライヴの様子を順を追って振り返っていくと……
最初にステージに立ったのは初対面のミノルBグッドさん。
バンド編成でのライヴもたくさんやっている方のようで、弾き語りであるにも関わらず派手なアクションを決めるところがチャーミング。ハイライトの歌に合わせて、僕も自分が持っていたハイライトのパッケージを振らせていただきました。
二番手が志田歩 with kubotti。
この日の僕らのライヴに、もうひとり大きな影響を与えてくれたのが蓮沼ラビィさん。彼女とも初対面だったが、事前にブログにいただいたコメントで“お互いに学生時代に友人が自殺したことが自分の中で核となっている”ということが分かっていたため、彼女と共に場を作ろうという気持ちで選曲と曲順を考えた。
その結果、相棒のkubottiの承諾を得て、どうしようもない喪失感から紡いだ「BOYS ON THE EDGE」を、“今日にいたる自分の始まりの歌”として、あえて最初に奏でることに。
いろんな意味でハードル上げまくり!
セットリスト
1 BOYS ON THE EDGE〜ぼくらは
2 光の中へ
3 最後のライオン
4 カウンターの中で
5 裸のワルツ
6 陽気なプリズナー〜タンゴ
7 ハッピーエンドを蹴飛ばして
ちなみに「陽気なプリズナー」を志田歩&Teazerで初演したのは2011年6月22日、新橋ZZ。
あれから3年を経て、こうした機会を得ることができたのは感無量。
演奏中は、耕さん、ラビィさんと何回も目が合って勇気をいただいた。
音楽を続けてきて良かった〜!
続いては鳥井賀句G&Yの予定だったのだが、ここで急遽、伊藤耕さんが鳥井賀句G&Yとセッション!
事前に何の打ち合わせも無かったにも関わらず、THE FOOLSのギタリストを次々と失った心境を瞬時の閃きに心身をゆだねてリアルに歌う姿は、ひたすら凛々しかった。
SoulKitchenの店主でもある鳥井賀句さんのステージは、こうした異常事態(笑)を経て、カヴァーを交えながら、パンタ、遠藤ミチロウ、ジョニー・サンダースといったアーティストへの敬意と愛情を濃密に込めたものだった。
この場がここまで濃密なものになったのは、いうまでもなく、賀句さんの選択眼による四組の組合せがあったからこそ。こんな素敵なお店を維持するためにも、体調に気をつけてくださいね。
そしてトリは蓮沼ラビィさん。
闇から目を逸らすことなく、女性ひとりでギターを手に立ち向かう勇気に、初期の中山ラビさんに通じるものを感じた。
特に印象に残ったのは「夜の髪〜白石和子に捧ぐ〜」。
ということで、この日、この場を共にしてくださった全てのみなさまに心から感謝します!
なお、志田歩 with kubottiの次回のライヴは11月30日。
TASKEさん主宰の「歌舞伎町の詩人達の集い -魅惑の秋味NIGHT-」にゲストで招かれております。20分ほどの短いステージですが、TASKEさん、売☆春男さんをはじめとする強烈な顔ぶれが結集する濃密なイヴェントですので、よろしくお願いします。
・11/30(日)新宿ゴールデンエッグ 「歌舞伎町の詩人達の集い -魅惑の秋味NIGHT-」
open 18:00 start 18:20〜22:30? チャージ1000円+1drink
出演:TASKE、売☆春男、最都優、山川ひとみ、ボクの彼女は発達障害、merry-andrew、ゲシュレクトオルガン、音霊工房 etc.
GUEST:志田歩 with kubotti、加藤チャーリー千晴
MC:TASKE DJ:春井
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ドキュメント映画「三里塚に生きる」を観て〜今は亡き者との関わりに〜2014.10.22 Wednesday
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「三里塚に生きる」を試写で観てから、「何か書かねば」と思いながら、立ちすくんだかのように動くことができずにいた。
試写会を出てからすぐに編集部の快諾を得て、11月発売のMUSIC MAGAZINE次号でレヴューを書かせてもらえることになったので、いわゆる映画評はその記事で書くが、以下ここで述べるのは公の雑誌という場でのレヴューとは異なる、自分の個人的な体験をふまえた形での独白めいたもの。
かなり長いものになると思うし、その結論がどんなものになるのかも分かっていない。
だが言葉を連ねることによってしか見えてこない何かを見つける努力はしてみたいと思う。
以下、敬称略。
この映画は1968年の小川伸介監督の「日本解放戦線 三里塚の夏」でカメラマンを担当していた大津幸四郎が、それから45年の時を経て、自ら監督と撮影を担当し、かつて小川プロが撮影した膨大なアーカイヴ映像も駆使して、三里塚闘争の歴史を独自の視点で綴ったものだ。
本作の中で、僕が最も衝撃を受けたのは、死亡者を出すほど激化していく闘争の最中で、1971年10月1日に22歳の若さで自死した青年行動隊のリーダー、三ノ宮文男について、すでに彼の死から40年以上の時が経過しているにも関わらず、60代半ばとなった当時の仲間が語る際に、嗚咽してしまう場面だった。
そしていまだに現地で農作業を続けながら空港建設反対を貫く柳川秀夫は、「三ノ宮の遺書に“三里塚に生き続けろ”と書いてあったから、それをまじめに受け取るしかない」という。
人が死ぬ時に遺した言葉は、しばしば残された人の行動に決定的な影響を及ぼす。
僕自身も22歳の時に、学生時代の大切な友人が自殺したことで大きな影響を受けた。
つい最近も、10月2日にこのブログでアップした「10月7日の『花よ 大地よ 月よ 銀河よ』全曲演奏ライヴについて」という記事で、「おそらく自分は、あの時(1983年)にその友人を失わなければ現在のような音楽活動はしていなかったような気がしている。」と書いたばかりだ。
するとその記事に今週24日のライヴで共演する蓮沼ラビィさんが、こんなコメントを寄せてくれた。
*
私も、学生時代に自殺した友人を持ち、
そのことを共有する友人達と一昨日飲み、
共にライブをやったところだったので、
驚きました。自殺した友人のお母さんや
弟さんも兵庫から出て来て、この夏に
会いました。あれから、30年近い時が
過ぎても、自分の中で核となっていることは、志田さんと同じかもしれません。
友人を亡くしたのは僕と蓮沼さんにとっては約30年前のこと、
この映画の中の人にとっては約40年前のこと。
まして空港反対闘争の最中とあっては、生涯生々しく残る衝撃だったのだろうと推測する。
そしてもうひとつ、脳裏によぎるのは、松崎博のこと。
松崎さんは僕の友人の20周年の追悼イヴェントに会場を使わせてくれた下北沢NeverNeverLandの店主で、追悼イヴェントの一ヶ月後に「一肌脱いでくれないか?」と相談されたのが、僕がシモキタ問題に関わるきっかけだった。
すでにあれから11年。
松崎さんも、その相談から半年後に、ガンで帰らぬ人となり、すでに10年となる。
彼が亡くなった時に、僕の中ではシモキタ問題との関わりは、続けるしかなくなってしまった気もする。
今年のSHIMOKITA VOICEでは、そのシモキタ問題の経緯を追ったドキュメント映画を上映。僕もその製作委員会に名を連ねさせてもらったが、その映画のタイトルは奇しくも「下北沢で生きる」というものだった。
*
大切な恩人や友人を亡くすことは、誰にとっても忌まわしい体験だ。
だがそこまで大きな影響を与えてくれる人に「出逢える」のと「出逢えない」のとでは、どちらが幸せか?
僕は自分で選ぶことができるのならば、きっぱりと前者を選びたい。
「三里塚に生きる」で大津幸四郎と共に監督、そして編集を担当している代島治彦は、「三里塚で生きる」という映画を、<生きるかなしみ>を描きながら<人生を肯定>する物語であると述べている。
以下、この記事に関連する特記事項です。
・「三里塚に生きる」は11月22日からユーロスペースにてロードショーされます。
公式ページはここ
・「三里塚に生きる」の音楽を担当しているのは大友良英。
僕が初めて彼のライヴを観たのは、僕自身もヴォーカルをやっていたOZmaで参加した1990年8月11日の「三里塚原野祭」。大友はNO PROBLEMのメンバーとしてターンテーブル&ギターを担当、壮絶にかっこいい演奏だった。今回の映画のクレジットで彼の名前を発見した時は、あれから24年の時を経て、音楽で関与している彼の一貫する姿勢に感銘を受けた。
・「下北沢で生きる」(監督・撮影・編集 斎藤真由美)は、税込み1500円でDVDを販売します。
問合せはビグトリィ tel:03-3419-6261 mail:sv2012@shimokita-voice.net
・記事中で触れた蓮沼ラビィさんとの共演ライヴ情報
10月24日(金) 新宿SoulKitchen
志田歩 with kubotti
共演:蓮沼ラビィ、鳥井賀句、ミノルBグッド
開場 19:00 開演 19:30
チャージ 1500円+ドリンク
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10月16日 ブルースビンボーズ@早稲田ZONE-B2014.10.17 Friday
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この日は四組のジョイント。
最初に登場のサダ&モンゴロイドスポットのフロントであるサダは、伊藤耕不在の期間にブルースビンボーズのヴォーカルを務めていた人物でもある。
めっちゃポジティヴで真面目、だが決して深刻にはならない色男だ。
間奏になると伊藤耕もステージにあがって即興的にヴォーカルを披露。
瞬間的な対応で、彼らの関係性の深さが傍目にも分かる。
バンドというワクで閉じずに、ユーモアを忘れずにオープンに繋がっていくサダの器の大きさがにじみ出るステージだった。
当然のごとくブルースビンボーズのステージでは、サダも呼び込まれ、ツイン・ヴォーカルの見どころも多々あった。
とはいえ、今日のブルースビンボーズは、「Oh,Baby」「太陽のまばたき」「Ghetto Fighters(何度でも立ち向かえ)」などなど、『ロックンロールソウル』からの名曲の連発が素晴らしい。
激しく動き、汗を流しながら歌う伊藤耕は、目も声も表情も、その全てがあまりにもむき出しでピュア! 特に僕が大好きな「誰もがキリスト」では、キリスト教の発祥から現在にいたる歴史の最前線を体現するような“業”を宿した生々しさに、一瞬も目を離せなくなってしまった。
ステージの進行の手際では、ギターのPちゃんの愛情豊かな采配にも心温まる瞬間の連続。心は高揚し、僕自身も何度も声を上げつつ同時に涙腺がうるむ。
ここまで多くの場内の人を幸福にしてしまうライヴ、僕も観ることができて幸せです。
そして来週は
・10月24日(金) 新宿SoulKitchen
志田歩 with kubotti
共演:蓮沼ラビィ、鳥井賀句、ミノルBグッド
開場 19:00 開演 19:30
チャージ 1500円+ドリンク
*共演の蓮沼ラビィさんからは、10月2日の記事にコメントをいただいています。
こうした巡り会いにもビックリ&楽しみ!
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今週末SHIMOKITA VOICE開催!2014.10.10 Friday
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今年はスタッフとして参加させていただきます!
SHIMOKITA VOICE 2014
・10月11日(土) アレイホール
世田谷区北沢2-24-8 下北沢アレイビル 3F
■映画『下北沢で生きる』(シモキタ2004 to 2014)
開場>13:30/開演>14:00(90分予定)
予約1,000円/当日1,300円(1ドリンク付き)
■ アフタートーク(上映終了後)
斎藤真由美(『下北沢で生きる』監督)
青山真治(映画監督)
石本伸晃(シモキタ訴訟弁護団)
大木雄高(シモキタヴォイス実行委員長)
※荒木経惟写真展『ライカで下北沢』同時開催
前売・予約
【10月11日映画とトーク】
※前売券はありません。
予約:ビグトリィ TEL:03-3419-6261
E-mail:sv2012★shimokita-voice.net(★を@に変えてください)
・10月12日(日)CLUB251
世田谷区代沢5-29-15 SYビルB1
■LIVE PEFOREMANCE
開場>17:30開演>18:00
前売3,000円/当日3,500円(ドリンク別)
* GROUP
* 青葉市子+山本達久
* 渋さ知らズ
(オープニングアクト:六弦詩人義家)
前売・予約は
TEL:03-3419-6261(ビグトリィ)
E-mail:sv2012★shimokita-voice.net(★を@に変えてください)
e+(イープラス):http://eplus.jp/
CLUB251窓口 TEL:03-5481-4141
総合問い合わせ:下北沢商業者協議会(ビグトリィ内Tel:03-3419-6261/Fax:03-3419-6848)
主催:SHIMOKITA VOICE実行委員会(下北沢商業者協議会、Save the 下北沢、まもれシモキタ!行政訴訟の会)
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10月7日『花よ 大地よ 月よ 銀河よ』全曲演奏ライヴご報告2014.10.08 Wednesday
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前夜の寝付きが悪くなるほどの高揚した心境で臨んだライヴ。
一夜明けてみると確実に昨日までとは自分の視野が変化しており、僕にとってある種の通過儀礼だったのだなと実感している。
『花よ 大地よ 月よ 銀河よ』を制作していた時、すでに自分の脳内にあった理想の編成。
それを11年がかりで遂に実現できた達成感は大きい。
自分の友人のことしか頭に無い状態で書いた「BLUE BOY」を、今回歌っている時は、友人だけでなく母親や今年になってから故人となった人達の顔が脳裏をよぎる感覚を深く噛み締め、かといってしんみりするわけではなく、今まで最もディープでかつアッパーな場内の反応にも勇気を与えられた。
音楽だけに限らず、今後の自分の活動全般にわたって、次に目指すべき大きな頂やテーマが見え、今はそこに向かって進むときめきがある。
このプロセスを分かち合っていただいた志田歩&Teazer のメンバー、目撃していただいたご来場のみなさま、お店のスタッフに心から感謝しております。
コーナーを曲がり終え、ここから加速していきますよ!
セット・リスト
オープニングSE トゥナイト(イギー・ポップ)
1 ナーダム〜裸のワルツ
2 Home Sweet Home
3 最後のライオン
4 陽気なプリズナー
5 9月のカナリア
6 BLUE BOY
7 BOYS ON THE EDGE
8 光の中へ
9 ハッピーエンドを蹴飛ばして
アンコール カウンターの中で
次のライヴは
・10月24日(金) 新宿SoulKitchen
志田歩 with kubotti
共演:蓮沼ラビィ、鳥井賀句、ミノルBグッド
開場 19:00 開演 19:30
チャージ 1500円+ドリンク
*共演の蓮沼ラビィさんからは、10月2日の記事にコメントをいただいています。
こうした巡り会いにもビックリ&楽しみ!
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吉井和哉インタヴュー2014.10.06 Monday
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11月にカヴァー・アルバム『ヨシー・ファンクJr.〜此レガ原点!!〜』をリリースする吉井和哉を、MUSIC MAGAZINEが巻頭で特集。そのメインのインタヴューを担当させていただいた。
彼にインタヴューするのは、イエロー・モンキー時代以来、なんと約20年ぶり。
その間にバンドの大々的な成功、休止、解散があり、孤独なところからソロ活動を開始して、2011年の『The Apples』がソロ名義で初のチャート・ナンバー1に!
そして今回が邦楽のスタンダード・カヴァー集。
こうした流れは「玉置浩二☆幸せになるために生まれてきたんだから」を書く時に感じたことと、シンクロしているように感じられたのも驚きだったが、その経験を活かしてキャリア全体を俯瞰する突っ込んだインタヴューをさせていただいた。
実は20年前の取材でも、邦楽への思い入れを強く語っていたことが印象に残っており、今回の取材でも「10年20年といったタイムスケールで確実に見事にスジを通すアーティスト」として、彼をとらえることができたと思っている。
この巻頭特集ではディスク・ガイドの原稿も、今回のインタヴュー記事と連動することを前提に、書きたいように書かせていただいた。にこやかに丁寧に語っていただいた吉井和哉さん、スタッフの皆様、MUSIC MAGAZINEの編集部のみなさまに深く感謝します。
以下は僕のライヴ情報。
『花よ 大地よ 月よ 銀河よ』全曲演奏ライヴは、いよいよ明日となりました!
こちらもよろしくお願いします。
・10月7日(火) 新橋ZZ
志田歩&Teazer:志田歩(vo,ag)kubotti(g)西村雄介(b)伊藤孝喜(ds)
共演:8cc
開演 19:30 *志田歩&Teazerの出演は20:30頃
チャージ 予約2100円+ドリンク 当日2600円+ドリンク
*予約はお店への電話(03-3433-7120)、志田へのメール、ブログへのメッセージなどで受け付けております。
・10月24日(金) 新宿SoulKitchen
志田歩 with kubotti
共演:蓮沼ラビィ、鳥井賀句、ミノルBグッド
開場 19:00 開演 19:30
チャージ 1500円+ドリンク
*共演の蓮沼ラビィさんからは、10月2日の記事にコメントをいただいています。
こうした巡り会いにもビックリ&楽しみ!
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10月7日の『花よ 大地よ 月よ 銀河よ』全曲演奏ライヴについて2014.10.02 Thursday
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僕は2003年に『花よ 大地よ 月よ 銀河よ』というCDを発表した。
この作品は学生時代に自殺した友人の命日からちょうど20年というタイミングに合わせて、
“友人の追悼”と“彼の死をきっかけに失われた当時の人間関係の回復”というテーマで制作したものだった。
制作のプロセスについては、ウェブ上にまとめたページもあるのでここでの詳述はしないが、おそらく自分は、あの時にその友人を失わなければ現在のような音楽活動はしていなかったような気がしている。
それ以前に自分が作っていた音楽は、誰かのマネゴトの延長上の“〜っぽい”ものでしかなかった。
だが“僕が友人を失った悔しさ”は、誰のマネでもコピーでもない。
皮肉なことに友人を自殺で失った悔しさが、自分にとって誰に何といわれてもゆずることのできない表現衝動になったのだ。
このCDのジャケットの毛筆の文字は、2003年5月15日に僕の母親に書いてもらったものだ。
友人に死なれた時、僕は半端でない落ち込み方をして、母親にも非常に心配をかけた。
母親なら当時の僕の心境も理解できるだろうし、亡くなった友人のご家族の故人への想いも理解できるはずだ。
そんな思いから母親に依頼したのだが、作業は予想外に大変で、納得のいかないところで僕はダメ出しをし続け、何度も母親に書き直してもらった。
後に母はその時のことを「懲り懲りした」と言っていたそうだが、母も故人となった今となっては、その言葉を笑い話として言っていたのか、憤怒の表情で語っていたのか、確かめる術は無い。
だが、今となってみると、こうしたいきさつが、僕にとって以前は想像もしなかったような意味合いを持つようになっていることに気付かされる。
母と子という関係でこの世でであった二人が、少なくともあの時は作品を創るため、ぶつかり合うことができた。
それは互いの生涯の中で、ほんの数時間だけのことに過ぎない。
だがいっさい妥協をしないやり取りができたという事実と、そんな機会を得ることができたという喜びは、自分の中で絶対的なものだ。
例え50億年後に太陽が赤色巨星となって地球を飲込んでしまったとしても、“一切の妥協を廃した瞬間”があったことには変わりが無い。
そう考えると、最も忌まわしい体験をきっかけとしたCDの制作が、今では掛け替えのない体験となり、感謝したい気持ちにさえなっていることに驚かされる。
何かを失うことによってしか、掛け替えのないものへの感謝を知ることができない愚か者。
でもそうした掛け替えのなさや感謝の気持ちは、歌っていくテーマとする甲斐のあるものであるように思う。
10月7日の新橋ZZでは、2003年のレコ発以来11年ぶりに『花よ 大地よ 月よ 銀河よ』の全曲演奏を行います。
・10月7日(火) 新橋ZZ
志田歩&Teazer:志田歩(vo,ag)kubotti(g)西村雄介(b)伊藤孝喜(ds)
共演:8cc
開演 19:30 *志田歩&Teazerの出演は20:30頃
チャージ 予約2100円+ドリンク 当日2600円+ドリンク
*予約はお店への電話(03-3433-7120)、志田へのメール、ブログへのメッセージなどで受け付けております。
・10月24日(金) 新宿SoulKitchen
志田歩 with kubotti
共演:蓮沼ラビィ、鳥井賀句、ミノルBグッド
開場 19:00 開演 19:30
チャージ 1500円+ドリンク
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10月1日 ナイロン100℃「社長吸血記」2014.10.01 Wednesday
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本多劇場にてナイロン100℃の「社長吸血記」。
劇団のしなやかなチームワーク、長いキャリアで培った経験値を活かした各俳優の役作りを行う一方、決してこれまでの作風に安住せず新たな切り口を出す切れ味に、ケラのクリエイターとしての果てしないパワーを感じる。
劇の進行に従って、演出の妙もあって、「ここから先はこうなるのか?」「それともあんなふうになるのか?」と、イマジネーションを刺激される。
だが芝居はそうした僕の予想とは全く違う展開に……。
あっけにとられつつ、「あぁ、またしても手玉にとられてしまった」と感じ、
「うふふ、ひっかかった?」と悪戯っぽく笑うケラの表情を想像する悦び!!
年齢的に偏りのない広がりのある客層なのもステキだと思う。
僕が見た公演は水曜の昼間だが、客席には人がギッシリ!
終演後に外に出ると、ちょうど飲み屋がそろそろ営業を始めようか、という頃合いだ。
平日の昼間に芝居を見て、それからまだ混雑していないお店で飲食をゆったりとのんびりと楽しむ、という贅沢な楽しみ方も、良いかも知れない、と今さらながら気が付いた。
ひょっとして下北沢で演劇を観るのを常としている人だったら、そんなの当たり前なのかな?
以下は僕のライヴ情報です。
・10月7日(火) 新橋ZZ
志田歩&Teazer:志田歩(vo,ag)kubotti(g)西村雄介(b)伊藤孝喜(ds)
共演:8cc
開演 19:30 *志田歩&Teazerの出演は20:30頃
チャージ 予約2100円+ドリンク 当日2600円+ドリンク
*予約はお店への電話(03-3433-7120)、志田へのメール、ブログへのメッセージなどで受け付けております。
・10月24日(金) 新宿SoulKitchen
志田歩 with kubotti
共演:蓮沼ラビィ、鳥井賀句、ミノルBグッド
開場 19:00 開演 19:30
チャージ 1500円+ドリンク
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