THE FOOLSによる二部構成のワンマン。
他界した川田良に代わり大島一威がギタリストとして加入、伊藤耕の復帰による新体勢の実質的なお披露目ともいうべき注目の公演である。
実に多彩なゲストを次々と迎えるステージは、準備する段階からものすごい労力が費やされたことが一目瞭然!
キーボード、サックス、そしてゲスト・ヴォーカルなどを迎えた演奏で、演奏時間は3時間を越えるヴォリューム。
僕は直接体験していないが、かつてのTHE FOOLSがしばしば大編成でステージをやっていたことは知っていたため、その頃の雰囲気にも近いのでは、などと想像しながら堪能させてもらった。
今回のライヴは1991年のアルバムに楽曲を追加してリイシューとなった『NO MORE WAR 〜地球の上で〜+3』のリリース記念ということもあって、そこからの曲もたっぷり。
当時湾岸戦争に際して産み落とされた曲の数々は、今のご時世でますます説得力を増していることが実感できた。
二部のオープニングで、ゲストの射ラップ一郎のバックで伊藤耕がドラムスを披露するという一幕もイキだったが、特に後半の盛り上がりの火ぶたを切ったのが、2012年の『BABYLON BOMBERS』の収録曲「バビロン・ブレイカー」。
この曲の作曲者は、この間の激動するバンドをずっと支えてきたベースの福島誠二!
作詞は伊藤耕だが、スタジオでのレコーディングには参加していない。
そんないきさつがあるこの曲を、復帰した伊藤耕のヴォーカルで聴いたら、すさまじいインパクトで、まだまだこれからも名曲を作っていきそうなTHE FOOLSのクリエイティヴな勢いを感じられた。
そこからのファンキーな名曲の連発で、場内はまさにTHE FOOLSでしかなし得ないマジックに包み込まれていった。
質量共にバンドの歴史に残る素晴らしく充実したこの日のライヴは、後に語りぐさになるのではないだろうか。