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2月27日 ECDインタヴュー2012.02.28 Tuesday
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次号のMUSIC MAGAZINEの取材で、ラッパーのECDにインタヴュー。
以前からその存在は気になっていたし、デモなどで姿を見かける機会もあり、勝手に親しみを感じていたものの、
実はサシで話をさせてもらうのは初めて。
ということもあって、かなり楽しみな気分で取材に臨んだ。
印象としては、実に丁寧に言葉を選んで喋る紳士的な人だった。
メディアを通じてだけだと、時に強面な印象を受けたこともあったが、
おそらく言葉を慎重に選ぶがゆえに、選んだ言葉については、きっぱりと発言するためだろう、と納得!
ニュー・アルバム『ドント・ウォーリー・ビー・ダディー』の収録曲のひとつ「まだ夢の中」の映像を見ていただければ分かると思うが、
現在の彼の境地は、ジャンル、世代、時代性などを突き抜けて、人間としての普遍的な感情に踏み込んだものだと思う。
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2月23日 区議会傍聴〜会派というシステムへの諧謔2012.02.23 Thursday
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無党派市民の木下泰之議員が一般質問を行なう区議会の傍聴に出かけた。
今回の質問の内容は全文が彼のブログにアップされているが、
保坂区長に外環、二子玉川、下北沢、京王線連立の区内大規模公共事業見直しと川場村移動教室中止を求めたり、昨年の“SHIMOKITA VOICE 2011”のシンポジウム(ただし質問書にある9月ではなく8月が正解ですが)に保坂のぶと区長が出席した際に語ったシモキタ問題に関するラウンドテーブルの実現を求めるなど、昨年の選挙で区長候補擁立に最も尽力した木下議員が、選挙の際の指針を通すことを求める場となった。
議論のトーンとしては、昨年の選挙で共闘した相手であっても、緊張感を保って対峙するスタンスを保ったものだった。
とはいえ、傍聴という現場に行くと、ウェブ上のテキストだけでは見えにくい情報が見えてくる。
今回の木下議員の質問の項目は、大きく分けて五項目。
これは10分しか質問の時間が無い区議会議員の一般質問としてはかなり多い方だ。
他の議員は二つか三つ、ひとつだけの人もおり、今回の議会で五項目以上の質問をあげているのは、彼の他には、みんなの党・世田谷行革110番のすえおか雅之議員、六項目をあげている自由民主党・新風の三井みほこ議員だけ。
10分という限られた質問時間を活用するため、壇上にあがった彼は、まずコップに水を注ぎ、のどを潤す。
気合い注入!
そして滔々と用意した質問を読み上げ始めた。
残り時間が1分を切ると場内に信号音が響く。
区の回答に対してさらに答える時間も残すのが通例だが、30秒を切ろうかというタイミングで、一度終わるかと思われた質問を「さらに……」と続けると、他の議員の間ではどよめきが起きる。
僕には「この人、時間内にちゃんと喋り終えられるのか?」という戸惑いであるように感じられた。
その後、喋るスピードを一気に加速した木下議員が、無事に質問を終えると、「見事な芸当を見せてもらった」かのように他の議員からの拍手が沸く。
なぜこういうことになるかというと、大きな会派の場合は、会派の代表質問という時間が別に設けられており、そこで何項目もの質問をすることができるが、木下議員は無党派市民という一人会派であるため、会派としての全ての質問を、10分でしなければならないからなのだ。
元々は社会党から立候補したものの、大政党の駆け引きの論理に馴染むことができず、1996年に一人会派「無党派市民」を旗揚げ。
そもそも会派の名前が「無党派市民」というのは、遠藤ミチロウが左翼への近親憎悪的な心情から自分のバンドをスターリンと名付けたのにも通じるほどのテンションで、大政党の政治の論理への諧謔精神を込めたものといえる。
それがどういう成果をもたらすか否かの評価は、観点によってさまざまだろう。
ただ、区議会というシステムの中で、その制約を引き受けつつ奮闘する彼の振る舞いが極めて印象的だったことは、僕自身の実感として表明しておきたい。
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2月13日 グリーンアクティブ立ち上げ記者会見2012.02.15 Wednesday
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衆議院議員会館の会議室で行なわれたグリーンアクティブの立ち上げ記者会見。
オフィシャル・ページを見れば分かることだけど、
単なる政治勢力ではなく、文化、経済、政治まで、多岐に及ぶフィールドでの連携を呼びかけるもの。
代表である中沢新一氏が、昨年発表した「日本の大転換」の中で、設立を宣言していた「緑の党のようなもの」が、公に動き出したことになる。
写真は、左奥から順に宮台真司(発起人)、いとうせいこう(発起人)、鈴木邦男(賛同人)、鈴木耕(賛同人)、鈴木幸一(通称南兵衛さん 賛同人)、前列左からマエキタミヤコ(発起人)、中沢新一(代表 発起人)、加藤登紀子(賛同人)という顔ぶれ。
僕も記者席から質問させていただいたところ、「原発」都民投票 請求代表者でもある宮台真司さんの答からは、
「空気に縛られる社会」から「知識を尊重する社会」へ向けての長いプロセスを意識した動きであることが、極めて明晰な言葉で伝えられた。
宮台さんとマエキタさんは、“SHIMOKITA VOICE”のシンポジウムでパネラーとして参加していただいたこともあるが、今回直接、この記者会見の情報を教えていただいたのは、マエキタさんからだった。
マエキタさんは、今回グリーンアクティブの政治部として設立されるエコロジー政党、緑の日本の代表も務めていくとのこと。
彼女の活動を知るには、
http://www.sustena.org/
などをご覧いただくのが良いと思うが、
今回に先立って、直接一対一で超多忙なマエキタさんとお会いした機会の印象も、せっかくなので書いておきたい。
唐突な表現で恐縮だが、彼女の表情、言葉遣いなどから僕が連想したのは、80年代に僕がぴあで音楽担当として電話取材した時のシンガー、永井真理子さん。
何か放つエネルギーの質で通じるものがあるように感じた。
これだけじゃ全然意味不明だと思うので、背景を説明させてもらうと、
僕が取材した時は、いわゆる年末進行の最中で、僕は2時間睡眠が10日続くようなヘヴィなコンディションだったが、20分あるかないか程度の電話取材を終えてみると、彼女のハキハキとした応答もあって、すっかり疲労から回復したという経験があった。
失礼ながら取材前は特にファンというわけでもなかったのだけれど、それだけに「この人のエネルギーは凄い!」と感服したのだった。
今回の記者会見の準備にも追われる中で、マエキタさんもさぞ多忙だったろうと想像するが、そんな中でマエキタさんの放つポジティヴなエネルギーは、僕にとって四半世紀も前のことを思い出させるほどの衝撃的なものだったのだ。
ちなみに写真の中でマエキタさんが、服に付けているのは、様々な市民運動の缶バッジ。
記者会見という場で、こうしたアピールを見せるセンスもイキだな、と思う。
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動き始めたココロ2012.02.06 Monday
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ここ最近のことで、多数の方から心配して連絡をいただきました。
どうもありがとうございます。
以下は、お礼とご報告に代えて……
母を亡くしてからずっと心がすくんでいるのは自分でも分かっていた。
己の頼りなさに加え、喪主としての立ち回りやその他に心配してくれる人との関わりの中で、
どんなに理不尽に感じたり、腹立たしく思った局面があっても、
ひたすら感情を押し殺して波風を立てないようにしている自分がいた。
だがそれは「母を弔う期間を荒らしたくない」という口実の元に、
実は最も自分が忌み嫌っていた「ことなかれ」な振る舞いなのではないか?
そんな自分への不信感は、ジワジワと自己嫌悪となって降り掛かってきた。
11月、12月のライヴは、火事場のクソ力的な勢いで乗り切ったものの、
2月1日の準備は、辛かった。
「こんな人間が人前で何を歌えば良いんだろう?」
とりあえず無難な選曲で乗り切ろうとしている自分の脳内に、警報が響いた。
『ここでもお茶を濁して、空振りしたら、もうお前は歌う動機すら無くしてしまうぜ』
「ひょっとしたら、もう自分は音楽などやるべきではないのではないだろうか?」
そこで思いついたのが真逆の選択だった。
自分が音楽をやる動機を保つためには、
今の自分の弱さをさらすという課題がハードルとして浮かんだ。
自分の偽善ぶりは良く分かっているけど、せめて自分が歌う歌に対しては、最低限の誠実さを持って挑もう。
観客に八つ当たりをするつもりはないが、「暗い!」と言われるのは覚悟した。
その上でなにがしか、現場に立ち会って良かったと思ってもらえるものを出せるのだろうか?
今回あえて選んだ「優しすぎた獣」のモデルは、すでに故人となった僕の友人だが、
彼の弱さと僕の弱さには、以前からなにかしらシンクロするものがあるように思っていた。
しかしあまりにも深刻すぎる作風ゆえ、セレモニーとオープンマイクでしか歌ったことは無かった。
ライヴの現場では、そんなヘヴィな選曲で臨むことに対し、いっさい異議を挿むこと無くデュオの相方を務めてくれたkubottiにも多いに助けられた。
そして客席が歌をしっかり受け止めてくれたという実感を持ってステージを終えた時、
自分の心はすくむことをやめ、動き出していた。
エールを送って下さったみなさま、本当にありがとうございます。
今回の経験を糧に、さらに貪欲に行こうと思いますので、今後もよろしくお願いします。
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調子が悪いのは……2012.02.02 Thursday
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昨年後半からずっと調子が悪い。
歌詞と曲については、自分なりに愛着や自負はあるのだけれど、それを歌う自分に対して自信が持てない……。
でも媚びたりへつらったりするのは、優しさや誠実さではない。
そんなモードで自分に課した課題は、カラ元気でお茶を濁さないこと。
ということで、内省的な曲中心にステージを構成した。
そうしたらライヴでは実に久々にやった「コレクション」の作曲者である荒武靖が、直前に現れるなど、いろいろな現象が……。
2/1 新橋ZZ 志田歩 with kubotti セットリスト
コレクション
優しすぎた獣(以上ソロ)
世界で一番間の悪い男(以下 with kubotti)
陽気なプリズナー
カウンターの中で
裸のワルツ
唄のアジト
LOVE IS A MYSTERY
歌詞はhttp://www.bekkoame.ne.jp/~shida-a/blackandblue.htmに掲載。
きつい課題にお付き合いいただいたkubotti、エールを送ってくださるお店のスタッフ、巧みないじり方をしてくれたBe-B(和泉容)さん、そしてご来場いただいたみなさま、ありがとうございました!
結果的にちょっと自分への信頼を取り戻せた気がしています。
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