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ボブズフィッシュマーケット再結成2009.04.25 Saturday
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マスターだった陽介さんの他界に伴い、5月いっぱいで移転する「ぐ」のシリーズ・ライヴ。かつてフライング・ドッグからアルバムを発表したことは知っていたものの、音は全く聴いたことがなかったボブズフィッシュマーケット。なんと30年ぶりの再結成で、もちろんベースは吉田達二!
彼と知り合ってからは15年ほどになるが、彼がやっていたバンドの再結成ならば、当時を知らなくても、ぜひ観てみたいと思って臨んだ。元々陽介さんから再結成を強く薦められていたということもあって、元フライング・ドッグのスタッフも複数立ち会うなど、客席もステージも半端じゃない気合い。椅子を全部出してオールスタンディングに変更するというほどの盛況ぶりだ。
MCで夕焼け祭りのことを話す口調は、70年代のことなのに先月みたいな感じ。バンドとしての共通体験の生々しさは、きっとそういうものなのだろう。
サウンドはブルージーなアメリカン・ロック・スタイル。
10代の頃の僕には苦手だったジャンルだが、30年ぶりに再結成してくれたおかげで、その醍醐味を堪能させてもらった。
特に凄いのは日倉士歳朗!
ドライヴしまくってグルーヴでバンドを牽引していく彼の演奏を聴いたら、スライド・ギターという楽器のイメージが変わってしまった。
ザ・バンドのナンバーもめちゃくちゃはまっている。
そういえば今日のこの場所の意味合いは、ラスト・ワルツに通じるものがある。
陽介さんの他界、多くの人々が集った店の移転。ひとつの時代の終わりを感じざるを得ない。
しかし今回再結成した彼らは、レコーディングも予定しているという。
一時代の終わりは同時に始まりでもあるのだ。
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映画「いけちゃんとぼく」 原作:西原理恵子2009.04.23 Thursday
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夏を過ぎた少年は 日向の匂いがする
うろ覚えだが、そんなニュアンスのセリフが印象に残った。
この映画の通奏低音には、男に対する西原さんの母性的な眼差しがあるように思った。
(原作者の西原さんからは、「ふん! 勝手なこと言いやがって。女の子はつらくてしょっぺー現実を見てるんだよ!」って一喝されるかも知れないけれど……)
途中までは少年の成長物語として観ていた。でも観終わった時は、ネタバレは避けるけど、もっともっと普遍的に生きることの切なさや愛しさを、押し付けがましさ皆無で、しかもユーモラスかつ感動的に伝えてくれる傑作だと確信。
とにかくこれほど男女を問わず大勢の人が涙をにじませる気配に満ち満ちた試写会は、誇張抜きに生まれて初めて!
自分も完全にやられました。試写会が終わった後に僕を見つけて声をかけてくれたシモキタつながりの映画関係者の(一見強面な)Iさんも「泣きました!」とのこと。
原作を読まぬまま、<絶対泣ける本>第一位の実写映画化、というキャッチコピーに、ちょっとひねくれたい気分と、「西原さんの原作ならそうかも」という期待がごっちゃになった状態で試写会に行ったのだけど、ひねくれていた自分を恥じたい。
しつこいけど、ほんと、素晴らしい映画です。
ヒットして欲しい!
6月20日から角川シネマ新宿ほかでロードショー
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下北南整骨院2009.04.21 Tuesday
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毎年梅雨時になると恒例なのだが、今年はやけにはやく、先週から肩が張って仕方が無い。
「アモーレ下北」の歌詞に登場する週末駅前の名物男の赤ヒゲさんに、最近見ないなと思いつつ電話してみると、現在は岡山に拠点を移してしまったとのこと。
しかしこのままでは仕事もできないほどひどい状態なので、比較的新しくできた下北南整骨院のお世話になった。
するとスタッフの方は、以前広報物を届けた僕のことをしっかり覚えていてくれて「“Save the 下北沢”の方ですよね」と話しかけてくれたうえ、非常〜に丁寧な応対をしてくれた。
しかもここは健康保険が使える!
今までの整体の僕の体験から考えると、およそ6分の1くらいの出費ですむ。
即座に常連となることに決めた。
かかっている人も20代から70代まで、実に多彩で大にぎわい。
赤ヒゲさんが遠くに行ってしまったのは寂しいけれど、シモキタのコミュニティは、まだまだ新陳代謝しつつ継続していく基盤があるのだなと思って、すごく嬉しくなった。
個人的に大推薦します。
お店の情報は以下で
http://qrblog.com/shimokita-minami/
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映像を撮って生きる生き物 想田和弘インタヴュー2009.04.20 Monday
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3月17日のブログで書いたドキュメンタリー映画「精神」の想田和弘監督にインタヴュー。
取材にこぎつけるまでには、かなりの労力を必要としたが、実現できたぶん、喜びも大きい。
前作「選挙」、自作「演劇」の話も交えつつ、彼がドキュメンタリーを撮る姿勢を掘り下げていった。
客観報道といった幻想をいっさい持っていない彼の発想に、大きく共感。
特に印象的だったのは、精神科の診療所の患者さんの撮影のセッティングに貢献した彼の奥さんが、精神的な不調を訴え、彼女自身が診療を受けようとした時に、彼はカメラを持ち込み、それを奥さんから怒鳴りつけられた時のエピソード。
映画を撮影する生き物に徹するということは、時として家庭人としてのひんしゅくを買う。
脳の使い方が映像を撮る生き物として特化している者の凄みを感じた。
記事はスタジオボイス6月発売号に掲載予定。
釜山国際映画祭とドバイ国際映画祭で、それぞれ最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。
6月から全国で順次ロードショー。
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NOWHERE@GRAPEFRUIT MOON2009.04.17 Friday
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三輪雅也がベースを担当するトリオ編成としてはラストとなるライヴ。
序盤はマイクの漏電、PAの不調でどうなることかと思ったが、中盤以降はうなぎ上りに良くなっていった。
特にCDでは地味なイメージの「DAYLIGHT」を、ものすごくダイナミックに表現する歌心に感銘を受けた。
スキャットなどで自由に声を響かせる新境地が、この後四人編成となってからどういう展開を見せるか、期待したい。
アンコールの最後が「旅に出よう」というのも、イキな締め括り。
ちなみに打ち上げで見た三輪雅也の面構えは、すっかりシンガー・ソングライターとなっているように感じられた。
大きな決断を下した彼が、今後どうなっていくのかも気になるところ。
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無頼な女 映画「サガン-悲しみよ こんにちは-」2009.04.14 Tuesday
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フランスの女性作家、フランソワーズ・サガン(1935〜2004)の生涯を描いた力作。
並の男では太刀打ちできないほど無頼な人生を渡り歩いたフランソワーズ・サガン。
贅沢でワガママで、とは思うものの、それゆえに背負う孤独の深さも半端ではなかった。
本人が死んだ後だから描けるという世界ではあるものの、(生きているうちにここまでぶちまければいいのにね)コカインの所持で逮捕された人間の死を当時の大統領が国民的作家の死として悼むというのは、日本とフランスの文化的な風土の違いをヒシヒシと感じさせられた。
ドラッグの善悪、好き嫌いは別にして、実存を賭して孤独を背負った人間へのリスペクトをきちんと表明できるフランス人のセンスは、僕としては痛快。
フランソワーズ・サガンの目線でのモノローグと音楽の調和は、ブルジョワの退廃の極みかも知れないが、僕には果てしなく美しく響いた。
瀬戸内寂聴のコメントを掲載するパンフレットの編集センスも素晴らしい!!
初夏にロードショー予定。
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映画「台湾人生」2009.04.13 Monday
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日本が台湾を占領していた時期に多大な影響を受けた現地の人々の証言を中心に構成したドキュメンタリー映画。
日本が台湾を統治していた期間は51年間。
「自分は今でも日本人だと思っている」
「天皇のためなら死んでも良い」
「なぜ日本は台湾を捨てたのか?」
「小泉の靖国参拝は素晴らしい。それに文句をつける大陸がけしからん」
といった証言の数々が胸に突き刺さる。
51年という時間は、一人の人間の価値観を決定するには十分な長さ。
しかし歴史のうねりは、それをいともたやすく反転させる。
かつて僕自身がカンボジアに旅行した際、現地のガイドをしてくれたのが、台湾で日本語教育を受けた世代の方だった。僕や友人のノリを理解した上で「PKOの後で、カンボジアには日本のバイクがたくさん走るようになりました。憲法を無視した甲斐がありましたね」と、シニカルなジョークをかます彼のセンスに、敬服したことを思い出す。
もうひとつ思い出すのは、ダイナマイトファミリーバンドが出演した“Say yes to Taiwan”というコンサートで、台湾の旗と日の丸が振り回されていた光景だ。
冒頭の台湾の人々の発言の数々は、日本の中での左翼的な立場からしたら失笑ものかも知れない。
だがそれもまた日本が関与した歴史の産物であることは間違いない。
彼らの業に光を当てる(これもまた日本人的なバイアスのかかった見方ですが)きっかけを作った酒井充子監督の精神的なたくましさにエールを送りたい。
6月27日からポレポレ東中野にてモーニングショー。≪公式≫グルーポンでお得に! www.groupon.jp まずは、会員登録。最大97%OFFのプレミアムクーポンサイト! さがそう!注目新築マンション mansion-master.jp 話題の物件だけを集めました。エリアや間取りで探す新築マンション♪ インタレストマッチ - 広告の掲載について
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THE BIRTHDAY@ZEPP東京2009.04.05 Sunday
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代々木公園を後にしてZEPP東京へ。
新しい路線は電車賃が高いが、渋谷から乗り換えなしで行けるのはありがたい。
ツアーの最終日。観客と曲を共有している自信と余裕がひしひしと伝わって来た。
彼らの楽曲は、シンプルなコード進行の繰り返しで構成されたものが多く、コードの展開もきわめて少ない。以前はそれを不満に感じたこともあったのだが、現在ではしっかりとメリハリを出して、盛り上がっていくアレンジとアンサンブルの手際が、すでに独自の境地に入っているように感じられた。
この日のレヴューはMUSIC MAGAZINEに掲載。
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「春風」パート22009.04.05 Sunday
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現地へ到着すると昨日に続いてステージ・アピールの時間がもらえたとのことで、再びサブ・ステージに。
二連ちゃんということで、説明の仕方もいろいろと工夫を加え、あさわがんぽお持参のギターを借りて「アモーレ下北」の一節で締め。
たくさんの人と再会し、新たに知り合う楽しい機会となりました。
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フールズ@大久保アースドム2009.04.04 Saturday
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フールズのワンマン。
開演前のバーラウンジで、弟の同級生と遭遇し、伊藤耕のファン同士としてマニアックな会話に興じる。
最初こそおとなしく見ていたものの、今回も結局最前列に移動して盛り上がっていると、隣の男性が嬉しそうに肩を組んでくる。いっしょに盛り上がった後、一瞬姿が見えなくなったと思ったら、ビールを手に戻って来て差し出してくれた。名前も知らず、単にライヴ会場で知り合っただけなのに、人と人を近づけるマジックが、フールズにはあるんだな〜。
伊藤耕の隣でギターを弾くことが本当に嬉しくてたまらないといった雰囲気の川田良の表情もステキでした。
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