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嵐が近づく中、法廷では……2008.09.19 Friday
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提訴から約2年を迎える「まもれシモキタ!行政訴訟の会」の口頭弁論も、今回で10回目を迎えて、いよいよ佳境。
特に台風が近づく中で開かれた今回の法廷で、画期的だったのは、地下化後の下北沢の駅の図面が、世田谷区から証拠として提出されたことだ。
これが問題の図面!!
これまでの大まかな流れで言うと、行政は新規道路54号線と区画街路10号線(いわゆる駅前ロータリー)の建設と小田急線の地下化、それに伴う跡地利用は、それぞれ別々の問題だといってきた。
地下化後の線路の上の跡地の利用方法を考えるには、
駅舎がどうなるか、という点が切り離せる訳が無い。
それでも執拗に、別々の問題だと言い逃れ続けてきたのである。
つい先頃、9月2日に世田谷区に、跡地利用の意見公募について申し入れに行った際も、「駅の計画については小田急の問題なので、詳しい情報は分からない」と、白々しいことを言っていた。
しかし、この日の裁判では、その駅の計画図を、あの“世田谷区”が、証拠として提出したのだ。あくまでも鉄道部分のみで、どんな駅ビルを造ろうとしているのか、駅舎全体の構造が分かるようなものではない不十分なものではあるが、これまでの動きからすると画期的だ。
これを受けて斉藤弁護団長が、皮肉たっぷりに「この証拠を提出した君たちは立派だ!」と被告席の行政職員に声をかけると、傍聴席は苦笑を堪えられずに大きな笑いの渦が湧く。
もちろん裁判長は、笑う訳にはいかない。
形式的には「静粛に」と場をなだめるが、とがめるような雰囲気ではない。
傍聴席がこのように盛り上がる一方、行政側の被告席には、なんとうたた寝していて、時おり我に返るような者もいる捨て鉢な雰囲気。
しかもこのイネムリさん、よりによって傍聴席に一番近いところに座っているものだから、書類を落とすような失態を見せるのではないかと、ひとごとながら心配になってしまった。
どこのセクションに属している人物なのか分からないが、確かに職員の中には過労が溜まっている人もいるのだろう。
しかし、どれほど疲れていようと、仮に私企業の社員だったら、重大な交渉の最中で、最も目立つ席に座ったままでの居眠りは、厳しい叱責を受け、務め人としての将来に重大な禍根を残すに違いない。
原告側の弁護人の弁論が、写真なども効果的に使って、とても分かりやすいものであるだけに、双方のキャラクターが際立ってしまい、映画か芝居を見る時のような興奮すら味わったのだった。
法廷の撮影は残念ながら禁じられているけれど、裁判自体の傍聴は無料!!
野次馬気分で訪れても、おそらく損はしないと思います。
次回口頭弁論は12月10日、午後4時から、東京地方裁判所の103号大法廷にて。
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「カウンターの中で」が主題歌に2008.09.12 Friday
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アテネフランセ文化センターに、今泉秀夫監督のドキュメント映画「クライシス下北沢−町に道路がやってきた」を観に行った。
タイトルからも分かるように“Save the 下北沢”“下北沢商業者協議会”“まもれシモキタ!行政訴訟の会 ”なども登場する作品で、僕自身も映っていることは、あらかじめ知っていたし、僕の曲を使ってくれたことも知っていたが、タイトルが出るところから、画面が切り替わり、サビまでが延々と使われていたので仰天。
挿入歌だと思っていたら、主題歌だった!!
自分の曲をこんな風に使われるのは、もちろん嬉しいのだけれど、初めての事なので、なんだか不思議な気分になった。
終影後は突然スピーチを求められてアタフタ。
半年ほど、下北沢に通い詰めた監督の力作ですので、どうぞ御覧になって下さい。
いわゆる自主映画だが、プロデューサーが上映の機会をガンガン作っていくと燃えているので、今後の上映などについての情報は、このブログでもお知らせしていきます。
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ニュータウンとコミュニティ2008.09.11 Thursday
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多摩ニュータウンのドキュメント映画「わたしの街」を観るため、パルテノン多摩へ。
SFのような町並みの中で上映されていた映画は、
多摩ニュータウンという極めて人工的に形成された街の中で、
コミュニティを育むための試行錯誤を綴る内容だった。
かつて僕は自分のバンドで出したCDのジャケットに、鳩山ニュータウンの写真を使った事がある。
それはあまりに画一的なベッドタウンの景観に対する、かなりシニカルな意志を込めたものだった。
『Home Sweet Home』も完全な逆説でつけたタイトルだ。
しかし多摩ニュータウンの住民は、すでに入居して40年近く。
かつてのニュータウンは通勤のためのベッドタウンではなく、高齢者が一日中過ごす街へと変貌した。
そうした中で2002年、永山に開設された福祉亭というスペースは、
現地の人々の交流の場として機能している。
この映画の制作委員の平均年齢は75歳。
登場人物の中には、80代、90代で元気に動き回っている方々も大勢いて圧倒される。
その背景には、老々介護などの深刻な問題もあり、エネルギッシュに動かなければ。どうしようもないという事情もあるように感じられたが、
かつての“ニュータウン”を、コミュニティに変えなければやっていけない業に対し、
敢然と立ち上がる人々の姿は、迫るものがあり、励みにもなる。
この映画の情報は以下で。
http://www.tama-newtown-film.com/
建築ジャーナル11月号に、映画評を掲載する予定。
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あなたはもっとストーンズが好きになるかもしれない2008.09.10 Wednesday
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マーティン・スコセッシ監督によるローリング・ストーンズのライヴ映画「シャイン・ア・ライト」の試写会で渋谷へ。
マーティン・スコセッシが、ローリング・ストーンズとどう相対しているかという関心を持ちつつ観た。
大ベテランでありつつ、スタジアム・コンサートでセンター・ステージを設置するなど、新しい手法を導入してきたストーンズ。かたやフィクション映画だけでなく、「ウッドストック」で助監督を務め、ザ・バンドの「ラスト・ワルツ」やボブ・ディランの「ノー・ディレクション・ホーム」など、ロック史上重要な作品を生み出してきたマーティン・スコセッシ。
ゲストで登場するバディ・ガイへの思い入れたっぷりなズームは、そんな両者の視点がシンクロするものにも映ったが、既成のライヴ映像の常識を覆すようなボブ・クリアマウンテンによるミキシングの音像に驚愕。
これはロック史を作り上げてきたベテラン同士の顔合わせによるライヴ映像のイノベーションだ。
期待以上に惹き込まれ、興奮し、感動させられてしまった。
あなたがこの映画を観たら、自分で思っていた以上に、もっとローリング・ストーンズが好きになるかもしれない。
12月5日からロードショウ公開。
本作の映画評はMUSIC MAGAZINEに掲載する予定。
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北沢八幡にて2008.09.07 Sunday
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午後二時から北沢八幡のお祭りに“Save the 下北沢”の仲間が出しているブースのお手伝い。この日のためにわざわざ購入した縁日用の小さなピンボール・マシンが、これまた小さな子供達に大人気!
ほとんど休むヒマ無く接客接客接客接客接客接客接客接客。
子供の集中力とエネルギーに圧倒される。
保育園とかって大変な職場なのだろうな。
少子化という言葉も慣れてしまったけれど、これだけ多くの子供達を見るのは、なかなかに壮観だった。
撤収時は、またしても雨にたたられ、傘をさしながらリヤカーで下北沢を縦断。
その後は“Save the 下北沢”の定例会。
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LIVE IN ルイード2008.09.06 Saturday
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オールナイト・イヴェントのトップ・バッターとして
志田歩&Teazerは午後4時出演という設定だったため、客席は、ほとんど顔見知りの方ばかりでしたが、出演後の歓談も含め、楽しいひとときを共有できて、とても嬉しく思っています。
バンドとしてものびのびと演奏していた気がします。
蒸し暑い中ご来場いただいたみなさま、どうもありがとうございました!
この日のセット・リストは以下の通り
1 THE POINT OF NO RETURN
2 9月のカナリア
3 最後のライオン
4 地上のリンカク
5 光の中へ
6 ハッピーエンドを蹴飛ばして
出演後は某所にて歓談、そして遠藤ミチロウ、AKIRAのステージを見た後、下北沢に戻り、motherで、ハードな一週間の締め括りを、のんびりと過ごす。
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国土交通省に行ってきました2008.09.05 Friday
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国土交通省へ行った。
国土交通省の入館時のチェックは、国会や裁判所に比べてもかなり仰々しく、さすがに多くの予算を動かす役所だなと痛感。
この日の目的は、“商業者協議会”“Save the 下北沢”“まもれシモキタ!行政訴訟の会”の三団体が合同で発表した「小田急線上部利用区民意見検討委員会」設置にあたっての声明とそれに関する公開質問状を手渡すこと。
声明の本文はここ。
現在東北沢から下北沢、世田谷代田にかけては地下化工事が進められており、
今まで線路や鉄道施設だった39000平方メートル部分のうちの多くが、利用法を考えるべき地下化跡地となる。(このうち6000平方メートルは駅施設、同じく6000平方メートルが道路との交差部分で、他の用途に利用可能な部分は、27000平方メートルと説明されている。ちなみに東京ドームは46755平方メートル)
防災対策という点で考えても、これだけの広さの土地を活用する可能性を考えれば、地下化とは別に計画が進められている新規道路補助54号線が「防災のために必要」という言い方は、かなり白々しいものに見えてくる。
この跡地だけを考えても、都心ではあまり例のない規模の利用可能な土地が、下北沢周辺に生まれることは明らかなのだが、わざわざそれを細切れにして、既成のノウハウのみで進めようとするやり方は、どうしても無理や無駄が多くなる。
しかしその利用方法について、世田谷区は非常に限定された範囲でしか意見を公募していないし、駅舎がどうなるのか、ということについても、まともに情報が出されていない。世田谷代田については、駅舎は地下になるような情報が流れていたが、突然地上に駅舎を建設すると発表されたばかりで、これまでの経緯を知る者の間では、驚きと怒りの声があがっている。
なかなか例のないほどの規模の跡地が生まれるのであれば、
駅や鉄道の施設、道路などについても考慮した、トータルなプランを作らないのは、手抜きではないだろうか?
トータルなプランがあれば、それによって、補助54号線が必要かどうかも、はっきりとしてくるはずだ。
実はこれに先立って9月2日には世田谷区にも声明と公開質問状を渡している。
この写真は、9/2の交渉時のもの。この日のしもへいはスーツで登場。
その時の世田谷区の対応は、「すでに決めたことについては決めたこと。小田急の駅舎などについては情報が無いので分からない」という腰の引けたものだった。
しかし国土交通省の方は、むしろそれに比べれば、だいぶ丁寧な応対だった。
これまで、補助54号線については、行政とまともな交渉ができたためしがない。もしも今後、(そうそう簡単なことではないだろうが)国土交通省ときちんとしたコミュニケーションができるなら、多少なりともマシな展開が生まれる可能性がある。
こうして下北沢は新たな局面に差し掛かった。
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