2日連続公演ではあるが、編成も選曲もまるで異なるステージだった。
まず10/31赤坂ふらっとん カンティーナ。
彼らの前に元柳ジョージ&レイニーウッドのベーシストである
ミッキー・ヤマモトと、柳ジョージを心の師と慕う横浜グッドタイムスのモンモン門次郎を中心として、柳ジョージ&レイニーウッドのレパートリーを演奏するスペシャル・ユニット、M&M Spicy Company。
かなり急造の顔合わせだったとのことだが、風貌からもステージでの采配からもミッキーさんの器の大きさが伝わってきた。またかつてもんた&ブラザーズなどで活躍していた
高橋マコトが途中でゲストとして登場し、ギタリストとしての凄みを堪能させてくれた。
こうした事情もあって、場内には熱心な柳ジョージのファンの姿も。
この日の星野裕矢は、8/31と同様の7人編成。
「カムイの少年」に続けて井上陽水のカヴァー「嘘つきダイヤモンド」という重厚な幕開けだ。
前回との大きな違いは、裕矢がエレキ・ギターを自らガンガン弾くようになったこと。僅かな間に音色の選択、つまりアンプの調整もフレージングも堂々たるものとなっており、これは新境地というにふさわしい。
だがステージが進行するにつれ、僕の位置では、来場者の私語が気になった。
そんな空気が影響したのかどうかは分からないが、メンバーのアンサンブルにも、今までなかったような乱れが…。
だがそこからの裕矢の巻き返しは、あまりにも見事だった。
自分の私生活を赤裸々(笑)に語るMCで、場内の注目を集中させ、さらに突然予定外の弾き語りを始めて、柳ジョージのレパートリーも研ぎ澄まされたヴォーカルで披露。
これをきっかけに柳ジョージのファンも、食い入るように裕矢の歌に入り込むようになった。
アンコールの「アイヱ」におけるギターの野中大司とのコンビネーションにおけるツー・ショットは、視覚的にはこの日最大のみどころ!
裕矢がギタリストとしても腕を上げたことも大きいように思うが、このあたりは僕がこの場で「レッド・ツェッペリンでは…」などとうざったい蘊蓄を繰り延べるよりも、熱烈な女性ファンの感想に委ねたいと思う。
「アイヱ」の後に新曲「心」という意表を突いた締め括りも頼もしかった。
以下、パート2へ続きます。