7/22に発売された佐野元春の『BLOOD MOON』。
事務所から届いたサンプルを聴いたとたん、あまりの衝撃にいてもたってもいられなくなり、僕は深夜、佐野元春本人にこんなメールを送ってしまった。
佐野元春さま
志田歩です
『Blood Moon』のサンプルの送付、ありがとうございました。
ジャケットから凄そうだなと思いつつ、昨日ようやくきちんと聴く時間を持てて、素晴らしさに驚愕しました。
僕が特に気に入っているのは、タイトルトラック「紅い月」の歌詞に、もっともらしいオチがないところです。
身も蓋もないことを身も蓋もないと伝えることに、今の日本に希望性を見出そうとする姿勢に共感しました。
事なかれの姿勢が一番人を傷つけるんですよ といっていた忘れ難い人のことを思い出しました。
もちろんブログなりfacebookなりで、こんな感想を書き散らすのは、現在の状況ではたやすいことですが、一度書いてしまったテキストの再現をリクエストされるようになると、クリエイターとしてはそれはけっこう大変です。
もし僕のプライヴェートな環境でなく、オフィシャルな場所でこのアルバムに関するテキストを書く人を募っているのなら、ぜひ立候補したいと思い、こうして不躾なメールをさせていただいております。
素晴らしい作品を特権的なタイミングで聴く機会を与えていただき、ありがとうございました!
今後もよろしくお願いいたします。
彼からの返事はすぐ!
彼のオフィシャル・サイトでのクロスレヴューに掲載してくれるという嬉しい内容だった。
こうしたやりとりで自分の原稿のハードルを高く上げてしまったため、けっこう時間はかかったが、
原稿そのものには、このタイミングでできることはやり尽くしたという手応えを感じている。
原稿が掲載されているのは
ここ。
この傑作を味わうささやかなきっかけとなることができればさいわいです。